投資コラム/建替えの手法を知る
還元率の求め方
還元率の求め方

還元率が重要なことはわかりましたが、「検討しているマンションがどのくらいの還元率になるのかがわからない」と思う方も多いかもしれません。

そこで、簡単に還元率の求め方を解説させていただきます。

還元率の求め方

還元率の求め方を順を追って説明いたします。

※ここでは、新マンションの延床面積や事業費がおおよそわかっているケースを想定しています。

①分譲価格(単価)から保留床買取価格(単価)を求める

まず、保留床(※)買取価格を求めます。

求め方は、「分譲価格×70~80%」です。

分譲価格とは、新築時にディべロッパーが販売する価格(単価)のことです。

一方、保留床買取価格とは、ディべロッパーが保留床を取得する際の価格(単価)のことで、”原価”のようなものです。

ディベロッパーは、「分譲価格-保留床買取価格」の差額で利益を出しますので、保留床買取価格は分譲価格より少し安くなければなりません。

一般的に、保留床買取価格は、分譲価格の70%~80%となることが多いです。

そのため、保留床買取価格の求め方は、上記のような計算方法となります。

②保留床面積を求める

次に、保留床面積を求めます。

「事業費÷保留床買取価格」で求めることが出来ます。

これは、保留床面積というのが、「事業費を捻出するための床」であり、「保留床面積×保留床買取価格=事業費」であるからです。

③権利床面積を求める

続いて、権利床(※)面積を求めます。

「新マンション床面積合計-保留床面積」で求めることが出来ます。

これは、権利床面積というのが、新マンション全体の床面積から、事業費を捻出するための床面積(=保留床)を除いた面積であるからです。

④還元率を求める

最後に還元率を求めます。

「権利床面積÷旧マンションで権利者が持つ床面積合計」で求めることができます。

還元率とは、旧マンションで所有していた床面積が、新マンションでどのくらいの床面積になったかを表すパーセンテージであるため、このような計算方法となります。

(※)権利床と保留床

権利床とは、旧マンションで権利を持っていた方々が、新マンションで得る床のことをいいます。一方、保留床とは、新マンションの床合計から権利床を除いた余りのことをいいます。また、この保留床は、建替え事業費を捻出する床でもあります。保留床をディベロッパーに売却することで、事業費を算出します。

計算例
簡単な例をあげて、還元率を計算してみます。
(前提条件)
  • 旧マンションの権利者床面積合計:500坪
  • 新マンションの床面積合計:900坪
  • 新マンションの分譲価格:坪500万円
  • ディベロッパーの利益幅:20%
  • 事業費:20億円
  • まず、保留床買取面積を求めます。
    分譲価格が坪500万円で、利益幅が20%ですので、坪500万円×80%=坪400万円となります。
    次に、保留床面積を求めます。
    (事業費)20億円÷(保留床買取価格)坪400万円=500坪となります。
    続いて、権利床面積を求めます。
    権利床=新マンションの床面積合計-保留床ですので、900坪-500坪=400坪です。
    最後に、還元率を求めます。
    権利者が旧マンションで持っていた床面積は500坪ありましたが、新マンションで400坪になりました。
    つまり、還元率は、400坪÷500坪=80%となります。
    以上、還元率の簡単な求め方を解説させていただきました。
    ディべロッパーがかかわっている場合は、試算してもらえるケースがほとんどのため、特に覚える必要はないかと思いますが、大まかな仕組みだけご理解頂ければと思います。
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