容積率の計算には、さまざまな緩和措置があります。
今回は、マンションを建築する際の、代表的な容積率緩和措置について、説明したいと思います。
容積率の計算方法は、「延床面積÷敷地面積」でした。
この計算をするうえで、延床面積から除くことが出来る部分があります。
主な部分は以下の3つがあり、容積率の計算から除くことを「容積率不算入」といいます。
自動車車庫や自転車置場は、各階床面積の合計の5分の1までは、容積率の計算上、延床面積に算入されません。
住宅の地下室についても、住宅の用途に供する部分の床面積の合計の 3分の1までは、容積率の計算上、延床面積に算入されません。
この地下室については、以下のような定めがあります。
たとえば、地下室の天井高が2.4mであった場合は、地下にもぐっている高さは、80cm以上である必要があるということです。
つまり、地下にもぐっている部分が浅すぎると、地下室として認められないということです。
地盤面より天井が高い位置にあるということは、その部分は、地下にもぐっていないということです。
その地下にもぐっていない高さが1mを超えてしまうと、地下室として認められないということです。
共同住宅の共用廊下、階段の用に供する部分(エントランスホール、エレベーターホールを含む)は、 容積率の計算上、延床面積に算入されません。
それまでは、いわゆる「外廊下」にすることで、共用廊下等を、容積率の対象外にするマンションが多かったですが、この制度が出来たことにより、「内廊下」のマンションが増えることになりました。
これらの緩和措置は、最初からあったわけではありません。
いつからの制度かを知っておくことが建替えマンション投資をするうえで重要になります。
自動車車庫等の容積率不算入については、古くからあるため、築古マンションであっても、その緩和を受けている可能性が高いです。
「地下室」と「共用廊下等」のについては、平成に入ってからの緩和措置であるため、昭和築のマンションの場合は、建築当時にこの緩和を受けずに建築しています。
つまり、建替えをした場合、この二つの緩和措置を使えるようになるので、より大きな建物を建築できる可能性があるということです。
既存建物の容積率があまり余っていなくても、これらの緩和措置を上手く活用が出来る場合がありますので、覚えておきましょう。