投資コラム/物件の選び方
特定道路による容積率UPをねらう
特定道路による容積率UPをねらう
これまでになかった法緩和規定が生まれ、建替えがしやすくなるということがあります。
「特定道路を接続することによる容積率緩和」という緩和規定はその一つに挙げられます。
特定道路を接続することによる緩和
前面道路幅員が6m以上12m未満であり、敷地が70m以内で特定道路に接続している場合、容積率が緩和されるという規定です。
特定道路とは、幅員15m以上の道路のことで、明治通りや青山通りなどのいわゆる大通りのことです。
大通り沿いは容積率が高いことが多いですが、緩和措置がなければ、一本中に入っただけで、前面道路による容積率制限のせいで、急激に容積率が下がってしまいます。
<例> ※緩和措置がない場合
  • エリア:商業地域
  • 指定容積率:600%
大通り沿いの物件は、容積率600%となりますが、一本中に入るだけで、容積率が360%になってしまうことになります。
このような急激な変化が生じるのを防ぐために、緩和措置が生まれました。
計算方法
計算方法はやや複雑ですが、以下のような式で求められます。
(前面道路幅員(m)+特定道路による緩和(m)(※))×容積率低減係数(0.4 or 0.6)
(※)特定道路による緩和の求め方
(12-前面道路幅員(m))× (70-特定道路までの延長距離(m))
70
基本の計算方法は、前面道路による容積率制限と同じく、「前面道路幅員×容積率低減係数」ですが、特定道路に近いと、前面道路が少し広いものとみなしてもらえるというわけです。
計算例
  • エリア:商業地域
  • 指定容積率:600%
  • 前面道路幅員:6m
  • 特定道路までの距離:35m
①特定道路による緩和部分
(12-6)× (70-35)/70 =3m
②緩和後の容積率
(6m+3m)×0.6×100%=540%
緩和措置がなければ、360%に制限されてしまうところ、540%までUPしました。
いつからこの緩和措置があるのか?
大事なことは、この計算を覚えることではありません。
この緩和措置が、昭和62年に誕生しているということが重要です。
つまり、昭和62年以前に建築されたマンションはこの緩和措置を受けられませんでしたが、現在は、条件に合致さえすれば、この緩和措置を受けることができるということです。
上記の例のような物件が、昭和62年以前に建築されていたとすると、容積率360%以内で建てなければなりませんでした。
それが、現在では、540%まで建てられるようになっていますので、180%も余剰容積が生まれているのです。
明治通り、青山通り、六本木通り、外苑東通り、外苑西通り・・・と幹線道路は非常に多くあります。
それらの道路から一本入ったところに、小ぶりな築古マンションがあれば、この緩和措置が使えるのではないか?と気にしてみましょう。
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