築年数の古いマンションはどんどん増えており、地震による倒壊リスク等を考えると、その建替えを促進してゆくことは、喫緊の課題といえます。
そのため、マンション建替えをする際には、他にはないような緩和措置を受けられることが多くなっています。
今回は、高さ制限に関する緩和を説明させていただきます。
平成15年の「天空率」の誕生以降、各自治体が絶対高さ制限を導入してきているというお話を別章でさせて頂きました。
「30m」や「40m」などと、エリア毎に高さの限度を定めてしまうというものでしたね。
このような制度を作ってしまうと、絶対高さ制限の高さを、既に超えてしまっているマンションは、建替えが難しくなってしまいます。
例)既存マンションの高さが40mで、絶対高さ制限が30mの場合・・・既存建物が10m高さオーバー
そのため、各自治体は、マンション建替えの場合の緩和措置を設けている場合が多いです。
各自治体により緩和措置が異なりますが、以下に例を挙げます。
- 旧耐震基準によって建築された分譲マンションの建替えであること
- 建替え前と後の分譲マンションの延べ面積の2/3以上が共同住宅であること
(高さの)指定値の1.5倍 or 2倍 ※条件による
例)絶対高さ制限が30mで1.5倍・・・高さ45mまで緩和
- 建替え後の建築物の主たる用途が共同住宅であること
- 建替え後の敷地面積が、現在よりも減らないこと
- 建替え後の建築物の高さが、現在のものを超えないこと
- 絶対高さ制限を超えてしまう部分は、現在の形状・規模と同程度であること
- 建替え後の敷地面積が、現在よりも減らないこと
- 建替え後の建築物の高さが、現在のものを超えないこと
- 絶対高さ制限を超えてしまう部分は、現在の形状・規模と同程度であること
- 絶対高さ制限を超えてしまう部分が、現行の用途制限に適合し、かつ現在と同じ用途のままであること
建替えの場合は、上記のように、絶対高さ制限を受けずに建築出来る場合が多いため、更地からマンションを新築するよりも、有利な条件で建築することが出来ます。
たとえば、「絶対高さ制限:30m」のエリアで、更地から新築する場合は、30mまでしか建築出来ませんが、高さ40mのマンションの建替えの場合は、40mの建物が建てられる可能性が高いため、有利というわけです。
以上、マンション建替えの際の、高さ制限の緩和について説明させていただきました。
検討してるマンション所在地に、絶対高さ制限が指定されていたとしても、緩和される可能性が高いため、その条件を調べてみましょう。