建替えマンション投資に適した物件を購入した場合、売却益を出すためには、建替え完了まで、じっと待っていなければならないでしょうか。
建替えまで何年も時間がかかりそうな場合、その期間資金を寝かしておくだけになると心配される方もいらっしゃると思いますが、その心配は不要です。
建替えマンション投資の売却出口は、一つだけではありません。
各段階において、売却チャンスがあります。
建替えの噂が出ると、実際にそれが実行されるかどうかあいまいな段階でも、相場が高騰するケースがあります。
たとえば、渋谷区神宮前のある物件は建替えの噂が出始めた頃から、相場が上昇し、周辺の同様の築年数のマンションよりも非常に高い水準で取引がされています。
実際に建替えが実施されるかは未定の状況であり、噂がたってから数年経過していますが、このような状況でも高値取引がされることがあるということを表しています。
建替え決議が承認されたからといって、第三者へ売却してはいけないということはありません。新マンション完成まで待つことも出来ますが、この段階で利益確定させることも可能です。
数年後の相場が下落すると予想されている場合や、資金を寝かさず、別物件に再投資をされたい方は、この段階で売却しても良いと思われます。
逆に、数年後の相場が上昇すると予想されている場合は、そのまま保有し、新マンション完成後に、売却されて良いように思われます。
建替組合が設立されると、「権利変換手続開始の登記」が行われ、この登記後は、建替組合の許可がなければ、第三者へ売却することが出来なくなります。
ですが、「建替え事業に重大な支障を生ずるなど正当な理由がある場合を除いては、承認をしなければならない」というマンション建替え円滑化法の定めがありますので、建替えをかき乱すような方でなければ、基本的には第三者へも売却することは出来ます。
またこの段階においては、「補償金を受け取って転出する」という選択肢もあります。権利変換を希望せずに、金銭の給付を申し出るということです。
この場合、補償金の金額は、基本的には「従前評価額」と同額となり、権利変換期日まで(おおよそ工事着工の直前)に、受け取ることが可能です。
この段階は一番わかりやすいと思います。新マンションが完成していますので、幅広い層に売却することが可能です。
青田売りでなく、実際に完成したマンションを内見することが出来ますので、購入検討者も具体的なイメージを持つことが可能となります。
「仕様が良い」、「眺望が良い」等、図面で見るよりもアピールポイントが多いお部屋の場合は、より高値で売却できる可能性があります。
このように、「建替えマンション投資」にはいくつも出口があります。
ご自身の投資スタンスや、相場動向、建替えまでのスケジュール等を総合的に勘案して、「どのタイミングで売却するか」を検討されると良いと思います。