権利者の方々は、新マンションの部屋を取得することが出来ますが、自分が好きな部屋を自由に選べるのでしょうか?
今回は、権利者の方々が、新マンションの部屋をどのように取得するのかを簡単に説明させて頂きます。
まず、新マンションの部屋にはそれぞれディベロッパーにより「分譲価格」が設定されます。
一般的には高層階住戸の価格は高くなり、また眺望が良い、角部屋等のプラスポイントがあれば高くなります。
権利者の方々は、分譲価格より2~3割安い「従後評価額(※)」で新マンションの床を取得することができます。
(※)従後評価額は、権利者価格とも言います。新マンションの原価のようなイメージです。
新マンションの各部屋ごとに、分譲価格と従後評価額が設定され、通常、その2つが併記された価格表や一覧表が配布されます。
新マンションの平面図と価格表を見ながら、希望の部屋を選ぶような流れとなります。
取得しようとする部屋の従後評価額が、旧マンションの従前評価額と同じであれば、「持ち出し」なしで、その部屋を取得できます。
- 旧マンション101号室を所有・・・従前評価額5,000万円
- 新マンション201号室(従後評価額:5,000万円)を取得希望
- 旧マンション101号室を所有・・・従前評価額5,000万円
- 新マンション301号室(権利者価格:3,000万円)を取得希望
- 旧マンション101号室を所有・・・従前評価額5,000万円
- 新マンション401号室(従後評価額:7,000万円)を取得希望
権利者の方は新マンションの部屋を取得する以外に、補償金を受け取り、転出するということも可能です。
この場合、補償金の額は、基本的に従前評価額と同額となり、工事着工の直前に受け取るような流れとなります。
新築マンションで倍率がつき、抽選が行われることがあるように、権利者の方々の間で、希望が重複することが考えられます。
重複した場合は、抽選するという方法よりは、事前に決めたルールに従って決定してゆくという方が一般的です。
このルールに関しては、法律等で決められたものではない為、各組合ごとで話し合いを重ねる必要があります。
ルールの例としては以下のようなものがあります。(あくまで例ですので、マンションにより異なります)
以上、権利者の方が、新マンションの部屋を選ぶ際の大まかな手順等を説明させて頂きました。
マンションにより、細かなルールは異なりますので、おおよその内容だけご理解頂ければと思います。